【#ケアストレスカウンセラー】要点Part1 Step2
Step2-1
1.「自分らしさを作るもの」
心理学では「自分らしさ」(=個人の性格や特性、個性)をまとめて「パーソナリティ」という。
そしてパーソナリティは、
ピラミッド型に大きく4つに分類される。
下に行くほど性格の基礎の部分となり、
年齢を重ねるほど変化しにくい。
上層にある習慣及び社会的役割は、
その人らしさを作っている大きな要素だが、
自分の意思によって変化させることが可能。
2.本当の自分とのズレ
人は、様々な問題と直面した時や、
何かを決断しないといけない状況になった際、
「これは自分らしいのか」と考えるものである。
このような自問自答が起きるのは、
本当の自分らしさがわかっていないために起こる。
自分のことがわからないのは、
「思い描く自分の姿には、願望やこうであるべき」
といった理想が反映されているから。
そのため、人の評価と本当の自分、
あるいは自分の理想と現実に差が生じる。
このズレが大きいと問題が生じ、
問題が大きくなるとストレス、
更にはメンタルヘルスの問題となる。
3.パーソナリティの違い
先の記述のように、パーソナリティは
「人の行動に現れるその人独自の特徴」のこと。
良し悪しはなく、自分の取り巻く環境に適応して、
自分が生きて生きやすいように作り出している
行動パターンのようなものとも言える。
パーソナリティの現れ方は、
環境や人間関係によって変わる。
○Point
・パーソナリティは人それぞれ異なる。
・パーソナリティはその人の環境や人間環境によって変わる。
Step2-2
1.パーソナリティを作るもの
パーソナリティ:「その人らしさ」を表すもので、人格、性格、性質、気質などの総称
「性格」は「パーソナリティ」と
ほぼ同じ意味で使われることが多いが、
「性格」は
「行動に現れる個人独特で持続的なパターン」という
「目に見える」性格そのものを指す言葉
であるのに対し、
「パーソナリティ」は
「性格そのものだけでなく、
性格を作り出す心理学的・社会的な仕組み」
も含めて用いられることが多い言葉。
オールポートは、
「パーソナリティは個人の内部で、
環境への特有の適応を決定するような
精神物理学的体系の力動的機構である。」
と定義している。
2.パーソナリティの分類
(1)類型論による分類
類型論:人をある基準でいくつかのタイプに分け、
性格を理解しようとする方法
特徴的な性格を設定し、
それぞれの性格を分類する方法であり、
・クレッチマーの体型説
・ユングのタイプ論
がメジャー
1、クレッチマーの体型説
クレッチマーが一定の法則を発見したことがもと。
2.ユングのタイプ論
「外交型」と「内向型」という
二つのパーソナリティ類型で分類を行なった。
外交型→外からの刺激に影響を受けやすく、
外の世界に関心を持ち、
社会的な性格。
内向型→興味関心が自分自身に向けられ、
自己の内面に価値を認めているため、
外に対しての関心が薄く、
非社交的な性格。
更に「基本的な心の機能」として、
思考型→理論的に考えることが得意
感情型→物事を感情で判断する
直感型→思いつき、閃きを重視する
感覚型→感覚で物事を判断する
とのかけ合わせで8タイプに分類。
(2)特製論による分類
分類方法には上記の
性格を幾つかのパターンに当てはめる類型論とは別に、
一人一人の性格をよく見ていく特製論がある。
特製論ではパーソナリティを、
「社交性」「外向性」「支配性」「真面目さ」
「創造性」などのいくつかの特性の視点から捉える。
様々な場面でどの特性をどの程度発揮するかによって、
その人のパーソナリティを説明しようとするもの。
代表例→キャッテルの特製論
キャッテルはパーソナリティの特性を、
「質問や行動観察を通じて外から直接観察することができる35個の特製」(=表面特性)に区分。
更に、これらの「表面特製の背後にある12個の特性」(=根源特性)を分析によって区分。
〇Point
・類型論には「クレッチマーの体型説」、
「ユングのタイプ論」がある。
・特性論には「キャッテルの特性論」がある。
〇Step2-3
パーソナリティを作るもの
1.遺伝的要因と環境的要因
遺伝は性格に影響する。
また、遺伝のみではなく、環境も性格に影響する。
人間のパーソナリティには、
生まれつき持っている「遺伝的要因」がある。
また、人間のパーソナリティは、
環境に大きな影響を受けており、
生まれ育った家庭や家族構成、
親の育児方法や態度(環境的要因)により、
大きく異なる。
2.個体的要因
パーソナリティの形成には、
身体的構造や生理的機能も影響している。
自分の容姿や体型などで、
自信がついたり劣等感を抱くこともある。
また、自律神経の失調が起こると、
イライラして起こりやすくなったりする。
大病の前後や、その日の体調によっても
パーソナリティが変わる部分がある。
〇Point
・人の性格は様々な要因により作られる。
・性格は環境の変化や経験を積むことで変わる。
〇Step2-4
パーソナリティは変化する
1.パーソナリティは変化する部分がある
パーソナリティは1度形成→完成するのではなく、
環境の変化や経験の積み重ねにより、
様々に変容していく。
遺伝的要因は変えられず、
個体的要因も自分で変化させるのは難しい。
しかし、環境的要因は変えることが可能。
環境を変化させればパーソナリティも変化する。
逆もその然り。
性格には
「変えやすい部分もあるし、
変えられない部分もある。」
2.性格には段階がある。
(1)気質
1番根底にあり、生理的に決められた割合が多い。
気質は後から変えることは出来ないとされる。
(2)気性
気質の1段階上であり、
幼年期に家族との関わりにより作られる。
両親等の養育者の影響が大きい。
気質と同じく後から変えることは難しい。
(3)習慣(習慣的性格)
気性の一段階上。
友人との生活や学校の環境により形成。
習慣的性格は自分の意思で変化させられる。
ex)
友達とケンカした時、自分も悪いとわかっていながら、
素直に自分から謝ることが出来ないという態度。
(4)社会的役割(役割的性格)
最上段であり、役割的性格とも言う。
日常の場面に応じて意識的、無意識に
変化をしている。
3.性格は変えられるか
この図で示すパーソナリティ(性格)の構造は
下層にある性格ほど、
先天的・遺伝的に決められた面が強く、
一貫性が高く、変えることが困難となる。
上層になるほど、
性格はその人の置かれた社会的な状況によって
決められる傾向が強く、一貫性は低く、
変化させることが容易になる。
気質・気性は変化させることが困難だが、
習慣や社会的役割を変化させることで、
社会に適応していくことができる。
〇Point
・性格には変わりやすいものと変わりにくいものがある。
・社会に適応していくためには、
変わりやすい性格を変化させることが大切。
【#ケアストレスカウンセラー】要点Part1 Step1
〇心理学とは
心理学とは「見えないこころを見るもの」
19世紀末に"フロイト"によって始まり、
のちの精神医学や臨床心理学の基礎を作った。
〇Point
人は行動を起こすとき、
その背景には"こころのはたらき"がある。
〇こころの仕組み
1.行動を引き起こすもの
精神的な行動の背景にあり、
行動の引き金になっているのは"こころ"。
精神的行動とは
「身体の内外の状況を感じて、それに応じてする行動」のことである。
この身体の内外の状況を感じさせる要因は、
「見る」「聞く」「嗅ぐ」「触れる」「味わう」の「五感」といわれるものである。
2.精神的行動の仕組み
五感で受けた刺激を感じることを「感覚」。
感覚を元にした意識的体験を「知覚」といい、知覚を元にして行われる心的処理を「認知」という。
例)
目の前のバイオリン奏者による演奏を聴く。
→聴覚という感覚
バイオリンの音が繋がって、メロディであると判断する。
→知覚
そのメロディが好きな音楽であると口ずさむ。
この口ずさませる意味づけ・価値付けるこころのはたらき
→認知
この感覚→知覚→認知の流れは、
通常「一瞬」で行われる。
また、その認知は人の欲求や期待、
経験や価値観などにより変わってくる。
〇Point
・こころの働きの基本は「五感」である。
〇用語
・感覚:感覚受容器での情報処理の最初の段階である情報処理の過程。
・知覚:外界と自己の状態を知るための、仮説と推論に基づく、能動的な判断過程。
・認知:判断、推理、情動、欲求かどの全てが関わる情報処理の活動。
〇「錯覚」はこころのはたらき
錯覚
「五感に異常がないのにも関わらず、実際とは異なる知覚をしてしまうこと。」
こころの機能とは、まず、五感で感じ(感覚)、五感から伝わる様々な刺激信号を、経験や知識と照会し(知覚)、意味付け・価値付けをする(認知)。
これによって人間はものを考えたり、楽しんだり、喜ぶ、悲しむなどの行動を起こす。
この
感覚→知覚→認知→行動の一連の働きが、
こころの基本的な機能といえる。
〇Point
・こころのはたらきは
感覚→知覚→認知→行動で成り立つ。
・錯覚は「こころがあるため」に起こる
・カクテルパーティ効果(選択的注意)
雑音の中でも音が聞こえるなど、
その場で臨機応変に必要な情報は何かを判断する機能。
例)
音楽のかかっている話し声の多い喫茶店で、
一緒にいる相手の声が聞き分けられる。
学習・記憶 / 忘却
1.「学習」はこころのはたらき
学習とは
「経験を通じて行動に継続的な変化が生じること」
例1)
これまで使っていた交通経路と変えてみたところ、時間と経費が減ったため、これを機に交通経路を変えた。
例2)
「梅干し」と聞いただけで、唾液の分泌が促進される。
→梅干しの酸っぱさを知って学習した成果。
※梅干しを食べたことがない子は反応しない。
このような、刺激と受動的反応が学習によって結び付けられることを"レスポンデント条件づけ"という。
例3)
犬に「お手」を覚えさせるために、餌などを使って仕込むことで、犬はご褒美が欲しくて「お手」をするようになる。
このような、刺激と能動的反応が、
学習によって結び付けられることを
"オペラント動機づけ"という。
レスポンデントとオペラントの違いは、
刺激反応に対しての刺激が、
「受容的」か「能動的」かである。
人間と動物では学習の程度は違いがあれど、
方法はほぼ基本的に同じといえる。
大きな違いは、「他人の経験を自分の経験として取り込むことが可能である」という点で、
他の動物とは異なり、「観察や模倣の能力」といった、
「観察学習」が際立っていることである。
2.記憶と忘却
(1)記憶の仕組み
脳はPCと同じようなもの。
記憶のプロセスは
記銘(書き込む)→保持(保存)→再生(思い出す)→再認(確認)
の4段階となっている。
記憶は保存期間によって3つに分類される。
1.感覚記憶(1〜2sec)
2.短期記憶(約20sec)
3.長期記憶(半永久)
3-1.エピソード記憶(思い出等)
3-2.意味記憶
3-2-1.概念の記憶(漢字等)
3-2-2.手続きの記憶(道具の使い方等
「感覚記憶」の例
興味のない人の顔は見てもすぐ忘れる
逆に興味を持った人の顔はすぐには忘れない。
「短期記憶」の例
必要があって調べた電話番号も、用事が済めば電話をかけ終えてしばらくすると忘れる。
「長期記憶」の例
何度も繰り返し電話するなどして固定された電話番号の記憶。
記憶の長さは意味付けという、こころのはたらきにより変わるもの。
(2)忘却の仕組み
記憶して置く必要のないことや、つらいこと、
苦しいことはいつか忘れる。
この忘却のシステムがなければ、
頭の中が情報で溢れてしまい、
学習や行動の妨げになる。
3.人間の行動には必ず「動機」がある
動機とは「行動の理由」を指し、
その目標に向かって行動の準備をしている状態を"動機づけ"という。
人は何故仕事をするか。
この「何故」が動機づけであり、
「自分の能力を試したい」
「自分を認めてもらいたい」
「満足感や充実感を得たい」
という理由 = 内発的動機づけ
もしくは
「お金を得るため」
「働かなければ生活できないから」
という理由 = 外発的動機づけ
もしくはその両方である。
人間特有の動機として、"達成動機"がある。
この達成動機の強さで、原因帰属に違いが出る。
〇用語
・達成動機
→達成目標や基準を設けて、到達しようとする動機
・原因帰属
→出来事が起こった時、どのような原因で起きたのか考えること。
達成動機が強いひとほど、
「成功も失敗も自分の能力と努力の結果」だと思う傾向にある。
逆に弱い人ほど
成功した時は「たまたま運が良かった」
失敗した時は「能力が無いから」と思う傾向にある。
なお、自分に好意を持っている人に近づき、
協力したり愛着を示したりすることを目標とする
「親和動機」も人間特有のものである。
4.豊かな「感情」は人が人である証拠
感情は、成長に伴い、経験や学習によって発達する。
新生児にとっては「快」もしくは「不快」のみ。
しかし、成長するにつれ分化していく。
5歳前後で人間の基本的な感情が表れ、
その後も人の心の成熟や社会生活での経験によって、
更に細分化していく。
感情の表れ方は人によって様々である。
表情に現れる人、そうでない人。
また、程度に差はあれど、感情は笑いや涙など、
身体の反応を引き起こす。
更にそれが高まると、緊張や動悸、発汗などの
生理的な反応を引き起こす。
これを"情動"という。
〇用語
・情動
一時的で急激な感情。喜怒哀楽など。
〇Point
・人間の学習能力の中でも、
観察や模倣(観察学習)の能力が優れている。
・記憶は「保存期間」によって、
感覚記憶、短期記憶、長期記憶に分類される。