【#ケアストレスカウンセラー】要点Part1 Step1
〇心理学とは
心理学とは「見えないこころを見るもの」
19世紀末に"フロイト"によって始まり、
のちの精神医学や臨床心理学の基礎を作った。
〇Point
人は行動を起こすとき、
その背景には"こころのはたらき"がある。
〇こころの仕組み
1.行動を引き起こすもの
精神的な行動の背景にあり、
行動の引き金になっているのは"こころ"。
精神的行動とは
「身体の内外の状況を感じて、それに応じてする行動」のことである。
この身体の内外の状況を感じさせる要因は、
「見る」「聞く」「嗅ぐ」「触れる」「味わう」の「五感」といわれるものである。
2.精神的行動の仕組み
五感で受けた刺激を感じることを「感覚」。
感覚を元にした意識的体験を「知覚」といい、知覚を元にして行われる心的処理を「認知」という。
例)
目の前のバイオリン奏者による演奏を聴く。
→聴覚という感覚
バイオリンの音が繋がって、メロディであると判断する。
→知覚
そのメロディが好きな音楽であると口ずさむ。
この口ずさませる意味づけ・価値付けるこころのはたらき
→認知
この感覚→知覚→認知の流れは、
通常「一瞬」で行われる。
また、その認知は人の欲求や期待、
経験や価値観などにより変わってくる。
〇Point
・こころの働きの基本は「五感」である。
〇用語
・感覚:感覚受容器での情報処理の最初の段階である情報処理の過程。
・知覚:外界と自己の状態を知るための、仮説と推論に基づく、能動的な判断過程。
・認知:判断、推理、情動、欲求かどの全てが関わる情報処理の活動。
〇「錯覚」はこころのはたらき
錯覚
「五感に異常がないのにも関わらず、実際とは異なる知覚をしてしまうこと。」
こころの機能とは、まず、五感で感じ(感覚)、五感から伝わる様々な刺激信号を、経験や知識と照会し(知覚)、意味付け・価値付けをする(認知)。
これによって人間はものを考えたり、楽しんだり、喜ぶ、悲しむなどの行動を起こす。
この
感覚→知覚→認知→行動の一連の働きが、
こころの基本的な機能といえる。
〇Point
・こころのはたらきは
感覚→知覚→認知→行動で成り立つ。
・錯覚は「こころがあるため」に起こる
・カクテルパーティ効果(選択的注意)
雑音の中でも音が聞こえるなど、
その場で臨機応変に必要な情報は何かを判断する機能。
例)
音楽のかかっている話し声の多い喫茶店で、
一緒にいる相手の声が聞き分けられる。
学習・記憶 / 忘却
1.「学習」はこころのはたらき
学習とは
「経験を通じて行動に継続的な変化が生じること」
例1)
これまで使っていた交通経路と変えてみたところ、時間と経費が減ったため、これを機に交通経路を変えた。
例2)
「梅干し」と聞いただけで、唾液の分泌が促進される。
→梅干しの酸っぱさを知って学習した成果。
※梅干しを食べたことがない子は反応しない。
このような、刺激と受動的反応が学習によって結び付けられることを"レスポンデント条件づけ"という。
例3)
犬に「お手」を覚えさせるために、餌などを使って仕込むことで、犬はご褒美が欲しくて「お手」をするようになる。
このような、刺激と能動的反応が、
学習によって結び付けられることを
"オペラント動機づけ"という。
レスポンデントとオペラントの違いは、
刺激反応に対しての刺激が、
「受容的」か「能動的」かである。
人間と動物では学習の程度は違いがあれど、
方法はほぼ基本的に同じといえる。
大きな違いは、「他人の経験を自分の経験として取り込むことが可能である」という点で、
他の動物とは異なり、「観察や模倣の能力」といった、
「観察学習」が際立っていることである。
2.記憶と忘却
(1)記憶の仕組み
脳はPCと同じようなもの。
記憶のプロセスは
記銘(書き込む)→保持(保存)→再生(思い出す)→再認(確認)
の4段階となっている。
記憶は保存期間によって3つに分類される。
1.感覚記憶(1〜2sec)
2.短期記憶(約20sec)
3.長期記憶(半永久)
3-1.エピソード記憶(思い出等)
3-2.意味記憶
3-2-1.概念の記憶(漢字等)
3-2-2.手続きの記憶(道具の使い方等
「感覚記憶」の例
興味のない人の顔は見てもすぐ忘れる
逆に興味を持った人の顔はすぐには忘れない。
「短期記憶」の例
必要があって調べた電話番号も、用事が済めば電話をかけ終えてしばらくすると忘れる。
「長期記憶」の例
何度も繰り返し電話するなどして固定された電話番号の記憶。
記憶の長さは意味付けという、こころのはたらきにより変わるもの。
(2)忘却の仕組み
記憶して置く必要のないことや、つらいこと、
苦しいことはいつか忘れる。
この忘却のシステムがなければ、
頭の中が情報で溢れてしまい、
学習や行動の妨げになる。
3.人間の行動には必ず「動機」がある
動機とは「行動の理由」を指し、
その目標に向かって行動の準備をしている状態を"動機づけ"という。
人は何故仕事をするか。
この「何故」が動機づけであり、
「自分の能力を試したい」
「自分を認めてもらいたい」
「満足感や充実感を得たい」
という理由 = 内発的動機づけ
もしくは
「お金を得るため」
「働かなければ生活できないから」
という理由 = 外発的動機づけ
もしくはその両方である。
人間特有の動機として、"達成動機"がある。
この達成動機の強さで、原因帰属に違いが出る。
〇用語
・達成動機
→達成目標や基準を設けて、到達しようとする動機
・原因帰属
→出来事が起こった時、どのような原因で起きたのか考えること。
達成動機が強いひとほど、
「成功も失敗も自分の能力と努力の結果」だと思う傾向にある。
逆に弱い人ほど
成功した時は「たまたま運が良かった」
失敗した時は「能力が無いから」と思う傾向にある。
なお、自分に好意を持っている人に近づき、
協力したり愛着を示したりすることを目標とする
「親和動機」も人間特有のものである。
4.豊かな「感情」は人が人である証拠
感情は、成長に伴い、経験や学習によって発達する。
新生児にとっては「快」もしくは「不快」のみ。
しかし、成長するにつれ分化していく。
5歳前後で人間の基本的な感情が表れ、
その後も人の心の成熟や社会生活での経験によって、
更に細分化していく。
感情の表れ方は人によって様々である。
表情に現れる人、そうでない人。
また、程度に差はあれど、感情は笑いや涙など、
身体の反応を引き起こす。
更にそれが高まると、緊張や動悸、発汗などの
生理的な反応を引き起こす。
これを"情動"という。
〇用語
・情動
一時的で急激な感情。喜怒哀楽など。
〇Point
・人間の学習能力の中でも、
観察や模倣(観察学習)の能力が優れている。
・記憶は「保存期間」によって、
感覚記憶、短期記憶、長期記憶に分類される。